「キメる」薬のオーバードーズが止められない若者たち

薬物トピックス

こんにちは

日本薬物対策協会のまっつんです。

私達は小、中、高校、PTAの方々に日々、薬物乱用防止講演を行っています。

昨今、深刻な社会問題になっている市販薬のオーバードーズ。(本来の英語の発音は「オーバードース」ですが、日本では「オーバードーズ」が主流となっているのでオーバードーズとします。)

SNS上では、大量の市販薬の画像を挙げる若者たちの投稿を目にします。

そのSNSでは頻繁に「#キメる」「#薬」というハッシュタグが使われています。

OD(オーバードーズ)の投稿により自分の存在性をアピールしているようです。

「キメる」とは

「キメる」とは、もとはハイになるために違法な薬物を摂取する事を指す言葉でしたが、最近ではエナジードリンクや市販薬を過剰摂取することでハイになることも含まれているようです。

過去に投稿したブログにも書きましたが、エナジードリンクの過剰摂取も危険です。
【#リーン手押し】SNSに広がる密売

薬物乱用防止講演中、エナジードリンクを飲んだことがあるか生徒さんへ聞いてみると、ほとんどの子どもたちがエナジードリンクを飲んだことがあると手を挙げます。

エナジードリンクにはカフェインと糖質が多く含まれています

よく市販で売られているエナジードリンクを例に取ってみると
カフェインが1本あたり約140mg入っていました。マグカップ1杯分のコーヒーより少し多いくらいです。

カフェインを取り過ぎると悪心、嘔吐、不眠症、血圧の上昇、胃の不調、不整脈、腎障害が引き起こされることがあるので注意が必要です。

そして、糖質は約46g含まれていました。角砂糖1個の糖質が4gです。エナジードリンク1本あたりに、角砂糖11個分以上の糖質が入っていることになります。

糖質を取り過ぎると肥満傾向になったり、血糖値が上がり、糖尿病にかかりやすくなります。

このことから、過剰摂取により、健康被害に遭うことは予測できると思います。

そのため、講演では子どもたちに、どうしても飲みたい場合は連続で数本飲まないように注意喚起しています。

増加する市販薬依存

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の2020年の研究データによると、年々、市販薬の依存症患者が増加しているのがわかると思います。出典:「わが国における市販薬乱用の実態と課題「助けて」が言えない子どもたち」(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001062521.pdf)

また、薬物依存症の治療を受けた10代患者の約5割を「市販薬」が占めています

出典:「わが国における市販薬乱用の実態と課題「助けて」が言えない子どもたち」(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001062521.pdf)

この通り、10代の市販薬への依存傾向が年々増加しており、異常な状況になっています。

実際、薬物乱用防止講演先の高校の生徒さんでも市販薬依存症の子どもがいると聞きます。

なぜ、10代の子どもは市販薬を過剰摂取してしまうのでしょうか?

なぜODするのか?

大きな要因の一つとして、SNSの普及が考えられるでしょう。

10代の子どもたちの情報源はインターネットが主流です。

そして、自分の存在をアピールする場所がSNSです。

  • 寂しさをまぎらわす
  • 現実逃避
  • 注目されたい

そんな理由からSNSでODについて発信するようです。

実際、市販薬依存症だった人は、SNSでやり方を見つけて、現実逃避のために市販薬ODを始めたと言います。
普段の食事は、市販薬30錠、ヨーグルト、野菜ジュースだけで、便は月に1回、6時間ほどトイレにこもっていたそうです。

飲まないと眠すぎて仕事ができず、朝20錠キメて出勤し、昼休みにもキメて仕事をしていたと言います。

家族の協力もあり、大変な離脱症状を乗り越えて断薬することができましたが、このままの生活を続けていたら、命を落とす危険性もあります。

薬物の真実を知ろう

市販薬ODも薬物依存症と変わりありません。

やめたくてもやめられなくなります

身体がボロボロになっても、離脱症状が辛くてやめられないのです。

そんな状態になりたいですか?

薬物依存症になれば、自分の意志ではやめることは困難でしょう。

薬物の真実を知って、最初から摂らない人生を送れるように私たちは
全国の学校へ薬物乱用防止講演を行っています。

元薬物依存者は薬物の真実を知っていれば、摂らなかったと言っています。

これからの未来を担う10代に薬物で人生を台無しにしてほしくありません。

薬物の真実を知ってください。

私たちの活動


「日本薬物対策協会」は、2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。

これまでに14万人以上の生徒や保護者、教育者などへ薬物の真実に関する情報を伝えてきており、活動エリアは現在、日本全国に広がっています。

活動はすべてボランティアで行っており、活動が拡張していくにつれ、自分たちだけで費用をまかなうことが難しくなってきています。

子どもたちを薬物から守るため、サポーターも募集しております。

| 日本薬物対策協会
日本薬物対策協会は米国に本部を置く非営利団体です。 「薬物のない世界のための財団」の日本支部。 2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。 これまで14万...

未来の日本を担う子どもたちを守り、「薬物のない日本」をつくります。

講演に関するご相談・お問い合わせは、以下までお気軽にお問い合わせください。

問い合わせ・講演依頼フォーム

その他、ご意見は下記メールにてお願いします。
info@drugfreeworld.jp

近年の講演実績

各地の学校や団体様からご依頼をいただいて提供した講演実績をご紹介します。

この数をさらに増やしていくことで、薬物のない日本を。

そんな思いで今日も活動を続けています。

【2021年度】

小学校 11校
中学校 20校
高校  3校
大人  2件

【2022年度4月~3月】
小学校 8校      941人
中学校 26校   5707人
高校    9校      3611人
大人    4件      82人
計       47講演 10341人

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