【#リーン手押し】SNSに広がる密売

薬物トピックス

こんにちは。

日本薬物対策協会のまっつんです。

私達は小、中、高校、PTAの方々に日々、薬物乱用防止講演を行っています。

今や小学生でもスマホを持つ時代になり、流行りに敏感な若者はほとんどがSNSで情報を入手し、シェアしています。

違法薬物はもちろんのこと、【リーン】が一部の若者の間で流行りSNSで売買されています。
そして、そこでは「#リーン手押し」というハッシュタグが頻繁に使われています。

リーンとは?

リーンとは、アメリカのストリートドラッグの名称で、

あへん系麻薬であるコデインを炭酸飲料などに溶かしたドリンクのことです。

日本ではコデイン(処方薬)が手に入らないため、化学式がコデインとよく似た「ジヒドロコデイン」を含有した咳止めシロップなどの市販薬を代用し、【リーン】として飲んでいる若者も増えています。

コデイン、ジヒドロコデインですが、これらは共に厚生労働省によって
「濫用(らんよう)等のおそれのある医薬品」として指定されており、
つまり、過剰摂取の危険をはらんでいることになります。

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リーンを飲んだその後は?若者は何の効果を求めるのか?

#リーン手押し

では、SNSでどのように売買されているのでしょうか?
こちらはTwitterで実際に【リーン】を売るために投稿されているものです。

手押し=手渡し
という意味です。

Twitterからやり取りを追われないように通信記録を消去できる秘匿メッセージアプリへと誘導させて取引が行われます。
実際に手渡す場所はコンビニ前、駅前、交差点前など人通りが多い場所で危険性の認識は薄く
ネットショッピング感覚で行われていることがわかります。
何が混ざっているかわからない危険性もあります。

医薬品の過剰摂取が増加?

リーンに含まれるコデインまたは代用の咳止めシロップはいずれも医薬品です。

決められた用量、用法を守らなければ濫用(乱用)にあたります。

公益財団法人日本中毒情報センターの分析によると
2017年~2021年に急性中毒に関する電話相談のうち、一般用医薬品を意図的に過剰摂取した事例について
解熱鎮痛剤 389件(33%)
風邪薬(総合感冒薬) 210件(18%)
鎮咳去痰薬 176件(15%)
これらのうち、鎮咳去痰薬には咳止めシロップが含まれています。そして、先ほど見たように、咳止めシロップにはジヒドロコデインが含まれているのです。

出典:「令和4年度第7回医薬品等安全対策部会 安全対策著調査会 資料1」(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000968950.pdf)

すなわち、【リーン】は濫用のおそれがあり、過剰摂取による急性中毒になり得るということがわかるでしょう。

エナジードリンクにも要注意

昨今、若者の間で違法薬物や医薬品だけではなく、カフェインの過剰摂取も問題になっています。

講演に行くと、学校の先生や保護者の方からの相談を受けることが多いのが

エナジードリンクの過剰摂取です。

手軽に購入できてしまうため「目が覚めるから数本飲んでおこう!」などと
試験前に10代の子どもたちが飲んでいるということもよく耳にします。

カフェインを過剰摂取すると中枢神経が過剰に刺激され、
めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。
そして消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。

1日の推奨摂取量を日本では設定していませんが、例えばカナダでは
18歳までの子供や青少年は1日当たり体重1㎏当たり2.5mg
18歳以上の大人は1日当たり400mg
としています。

では、食品中のカフェイン濃度を見てみましょう。(一部抜粋)


出典:「カフェインの過剰摂取について」(農林水産省)
(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html#other%20countries)

このようにエナジードリンクはカフェインが多く含まれていることがわかります。

 

カフェインを多く含む眠気防止薬や「エナジードリンク」などの清涼飲料水の急性中毒で
2011年からの5年間に少なくとも
101人か救急搬送され、7人が心停止、うち3人が死亡したことが
日本中毒学会の調査で分かりました。

心停止に至った7人はいずれも6g以上、中には53g摂取した人もいたといいます。

2015年には九州地方の20代男性がエナジードリンクと眠気防止薬を長時間飲み続け、死亡した例が報告されています。
出典:「カフェイン中毒、5年で100人救急搬送 死亡3人」日本経済新聞
(https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13H57_T10C17A6CR8000/)

このように気軽に購入できてしまうエナジードリンクも正しい知識がなければ、最悪の場合
命を落としてしまうこともあるのです。

私たちはこれからの未来を担う若者を守るため、全国どこへでも薬物乱用防止講演を行わせていただきます。
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「日本薬物対策協会」は、2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。

これまでに14万人以上の生徒や保護者、教育者などへ薬物の真実に関する情報を伝えてきており、活動エリアは現在、日本全国に広がっています。

活動はすべてボランティアで行っており、活動が拡張していくにつれ、自分たちだけで費用をまかなうことが難しくなってきています。

子どもたちを薬物から守るため、サポーターも募集しております。

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近年の講演実績

各地の学校や団体様からご依頼をいただいて提供した講演実績をご紹介します。

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そんな思いで今日も活動を続けています。

【2021年度】

小学校 11校
中学校 20校
高校  3校
大人  2件

【2022年度4月~3月】
小学校 8校      941人
中学校 26校   5707人
高校    9校      3611人
大人    4件      82人
計       47講演 10341人

 

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