リーンを飲んだその後は?若者は何の効果を求めるのか?

薬物トピックス

こんにちは。

日本薬物対策協会のまっつんです。

私達は小、中、高校、PTAの方々に日々、薬物乱用防止講演を行っています。

今回は若者の間で流行っている薬物「リーン」について
前回に引き続きお話していきたいと思います。

【前回の記事】
【リーン】紫の色をした若者に流行っている薬物の正体とは?

リーンを飲むとその後どうなるのでしょう?
若者は何の効果を求めているのでしょうか?

ラッパーがきっかけ?

リーンはもともと、アメリカのストリートドラッグの名称で
あへん系麻薬であるコデイン(コデインリン酸塩)を炭酸飲料などに溶かしたドリンクのことです。
海外のトップスターのラッパーたちがリーンの使用をラップにしたことで若者の間で流行したようです。
リーンを愛飲していることをインターネットで公言している日本人の人気ラッパーもいます。
日本ではコデインが簡単に手に入らないため、化学式がコデインとよく似たジヒドロコデイン(ジヒドロコデインリン酸)を含む市販の咳止めシロップを用いてリーンを作り、動画で作り方を投稿している若者もいるほどです。
「カッコいい」「流行ってる」という軽い気持ちから手を出してる若者も多いのでしょう。

リーンの作用とは?

コデインを含む製剤は主に咳止め薬として使用されています。
大量摂取により興奮を起こすこともあります。
コデインを含む咳止め薬の副作用として
眠気、呼吸抑制、依存性などがあります。
そのため、リーンを飲むことで
ハイテンションになって遊べる
逆に副作用の効果を期待して落ち着く
などという効果を求めて若者の間で流行っています。

リーンを飲むとその後どうなる?

コデインも市販の咳止めシロップも薬物に変わりありません。
過剰摂取により、最悪の場合死に至ります。
コデインリン酸塩散1%「タケダ」の添付文書「https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2242001B2300_2_04/」によると
用法及び用量
通常、成人には、1回2g、1日6gを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
と書かれています。
12歳未満の小児においては
投与しないこと。呼吸抑制の感受性が高い。海外において、死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある。

と書かれています。

ジヒドロコデインを含む市販の咳止めシロップ「新ブロン液エース」の添付文書「https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J0601012517_11_A.pdf」によると
1回量
成人(15歳以上)10ml
12歳から14歳 6.6ml
12歳未満 服用しないこと
と書かれています。
1日3回 場合により6回までは差支えないが服用間隔を4時間以上おくように記されています。
なお、60ml中ジヒドロコデインは30mg入っています。1本120mlです。
リーンを作っている動画を観ても、
咳止めシロップを1度に半分以上入れています。
決められた用量を超えて飲むことは乱用です。
乱用が始まり、依存、そして死に至ってしまう場合があります。

依存からは抜けられない?

依存とは「やめたくてもやめられない」状態になることです。
もう「リーンはやらない!」と決めたとしても
落ち着かなくなったり、イライラしたり
あと1回だけとまた飲むのです。
コデイン及びジヒドロコデインの添付文書にも重大な副作用として「依存性」と明記されています。
乱用している人は薬物の効果が切れてくると
離脱症状が出てきます。
手が震えたり痙攣発作を起こしたりと様々な症状が現れます。
その症状から逃げるために、それをまた薬物で解決しようとするのです。
咳止めシロップのように医薬品でも薬物には変わりありません。
医薬品は身体の働きを良くしようとして、何かを速めたり遅くしたり、身体の働きを変えることを意図した薬物です。
規定通りに使用されない場合、違法薬物と同様に危険なものになり得ます。
このような正しい知識を知らない若者はその時のノリで手を出し、その結果人生を台無しにしている人を数多く見ています。
やめたくてもやめられない。
やめられるようになるには、自分ひとりの意思では難しいでしょう。
手を出す前に正しい知識を知ることが重要です。

私たちの活動


「日本薬物対策協会」は、2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。

これまでに14万人以上の生徒や保護者、教育者などへ薬物の真実に関する情報を伝えてきており、活動エリアは現在、日本全国に広がっています。

活動はすべてボランティアで行っており、活動が拡張していくにつれ、自分たちだけで費用をまかなうことが難しくなってきています。

子どもたちを薬物から守るため、サポーターも募集しております。

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日本薬物対策協会は米国に本部を置く非営利団体です。 「薬物のない世界のための財団」の日本支部。 2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。 これまで14万...

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【2021年度】

小学校 11校
中学校 20校
高校  3校
大人  2件

【2022年度4月~3月】
小学校 8校      941人
中学校 26校   5707人
高校    9校      3611人
大人    4件      82人
計       47講演 10341人

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