こんにちは。
日本薬物対策協会のまっつんです。
私達は小、中、高校、PTAの方々に日々、薬物乱用防止講演を行っています。
そんな最中、知人のお子さんが通学している高校で「リーン」という薬物が流行っているそうです。
さて、「リーン」とは、一体何なのでしょう?
リーン:紫の液体が持つ作用とは?
リーンとは、アメリカのストリートドラッグの名称で、
あへん系麻薬であるコデインを炭酸飲料などに溶かしたドリンクのことです。
色が紫のことから
パープルドランク(ドリンク)や
サイラップ
ダーティスプライト
などとも呼ばれ、
一部のラッパーなどがコデインの量を多くするとハイテンションになれるとかで気軽に乱用しています。
あへん系麻薬コデインとは?
コデインは植物のケシから作られます。
ケシの未熟蒴果(さくか)からあへんが抽出され、これを精製するとモルヒネになります。
コデインは処方薬ですが、コデインを還元して製造したジヒドロコデインは鎮咳薬や総合感冒薬に配合されています。
日本では、コデイン(処方薬)が簡単に手に入らないため、代用として市販の咳止めシロップと炭酸飲料でリーンを作り、子どもの中でも静かなブームとなっています。
子どもが平然とリーンと言って作り方を紹介している投稿動画もあります。恐ろしい限りです。
リーンを飲むとどうなる?
投稿動画を見てみると
リーンを飲むと落ち着くとかと逆にハイテンションになると言っています。
それはコデインに鎮痛作用があるためかと思われます。
コデインは体内で代謝されモルヒネになりますが、モルヒネは言うまでもなく鎮痛剤の代表格です。
気管支痙攣の鎮静に有効ですが、大量摂取により興奮を起こすこともあります。
そのため、ハイテンションな状態を引き起こすとされています。
市販薬の決められた使用用量、使用方法を守らなければ体に悪影響を及ぼすリスクがあります。
鎮痛剤は中毒性がある?
処方薬の鎮痛剤は神経系の中で私たちが「痛み」として知覚する信号を妨害する強力な薬物です。
鎮痛剤の長期の使用は身体的依存を引き起こします。
身体は体内に存在する薬物に順応するため急に薬物の摂取を止めると禁断症状が起こります。
そして、耐性ができているため、以前と同じ効果を得るために更に多くの分量を摂取しなければならなくなります。
ついには薬物なしではやっていけなくなるのです。
最悪の場合、死に至ることもあります。
鎮痛剤使用者は言っています。
「いつからか思い出せないほど長い間、私はハイになったり落ち込んだりしていました。
ちょっとしたことですぐに腹を立てたり、怒りが爆発したりし、全く理由もないのに誰かを嫌ったりしていました。」薬物のない世界のための財団「真実を知ってください:薬物」より
本人はそれが鎮痛剤のせいだとは思っていませんでした。
知識がないため、自分の状態に対しての解決策として更に他の薬物に手を出してしまいます。
それは状態を悪化させただけでした。
薬物中毒と感情の問題の両方に対処しなければならなくなったと言っています。
鎮痛剤に限らず、どの薬物も基本的に毒です。
その作用は摂取する量によって決まります。
子どもたちは危険性の認識なく、興味本位や流行っているからという理由で飲んでいます。
薬物はすべての感覚を遮断します。
望ましい感覚も望ましくない感覚もです。
そのため、短期的には痛みを和らげるために役に立ちますが、同時に人の能力や機敏さを消し去り思考を不明瞭にします。
医薬品は身体の働きを良くしようとして、何かを速めたり遅くしたり身体の働きを変えることを意図した薬物です。時には必要ですが、規定通り使用されない場合、違法薬物と同様危険なものになり得ます。
これからの未来を担う子どもたちを守るには正しい知識が必要です。
薬物についての真実を知れば、興味本位で使用することはなくなるでしょう。
私たちの活動
「日本薬物対策協会」は、2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。
これまでに14万人以上の生徒や保護者、教育者などへ薬物の真実に関する情報を伝えてきており、活動エリアは現在、日本全国に広がっています。
活動はすべてボランティアで行っており、活動が拡張していくにつれ、自分たちだけで費用をまかなうことが難しくなってきています。
子どもたちを薬物から守るため、サポーターも募集しております。
http://drugfreeworld.info/dn/
未来の日本を担う子どもたちを守り、「薬物のない日本」をつくります。
講演に関するご相談・お問い合わせは、以下までお気軽にお問い合わせください。
https://drugfreeworld.info/contact
その他、ご意見は下記メールにてお願いします。
info@drugfreeworld.jp
近年の講演実績
各地の学校や団体様からご依頼をいただいて提供した講演実績をご紹介します。
この数をさらに増やしていくことで、薬物のない日本を。
そんな思いで今日も活動を続けています。
【2021年度】
小学校 11校
中学校 20校
高校 3校
大人 2件
【2022年度4月~3月】
小学校 8校 941人
中学校 26校 5707人
高校 9校 3611人
大人 4件 82人
計 47講演 10341人