【MDMA】錠剤がかわいい!!それ、危険です。

薬物トピックス

こんにちは!日本薬物対策協会講師のニッシーです。

私達は全国の小学生から高校生、保護者の方たちまで薬物乱用防止の講演を日々行っています。

昨年10月に渋谷ハロウィンで、お菓子に紛れてMDMAが配られているなどというツイートを目にした方もいるのではないでしょうか?

MDMAの錠剤はかわいい見た目をしています。

ラムネだと言って渡されたら、信じてしまいそうですよね。

そんなMDMAですが、中身はとても危険な……

MDMAってどんな錠剤?

MDMAはカラフルでかわいい柄やキャラクターの形をした小さな錠剤で『メチレンジオキシメタンフェタミン』という名の合成麻薬です。

錠剤の大きさは子どもの小指の爪くらいで、本当に小さいお菓子のようです。

『エクスタシー』とも呼ばれ、液体や粉末のものもあります。

一見、ラムネ菓子にも見えるその薬物は、覚醒剤や幻覚剤に似た性質を持っています。

強い高揚感や多幸感によって、周囲の人々へ愛しさを感じたり、光がよりきらびやかに見えたりする、一晩中おどり続けるなど感覚が正常ではなくなります。

この薬物は1912年にドイツの製薬会社によって、食欲を抑制するために開発されました。

その陶酔感や幻覚作用のせいで、すぐにパーティーで人気となりましたが、危険性が問題視され1985年に違法薬物に指定されました。

見た目がかわいいMDMA、主に使われる場所は?

MDMAは『パーティードラッグ』、『ラブドラッグ』などと呼ばれ、若者の集まるクラブやレイヴといわれる屋外音楽パーティーなどで多く使用されています。

それは、単に音楽やダンスをもっと楽しむためかもしれませんが、本当にそれだけのためにこの薬物を使用する価値があるのでしょうか?

これは実際に起きた話です。

事例:ニッキー

ニッキーは、レイブ・パーティーに行く多くの人たちと同じように、自分の問題から逃れ、楽しい時間を過ごそうと、何人かの友人たちと一晩中パーティーを開くことを計画しました。
友人のひとりが、車の中に液体のエクスタシーのボトルを持っており、皆でそれを飲もうということになりました。
その薬物は、すぐに全員に回されました。
その後ニッキーはひたすら踊り続けましたが、それは普段の限界を遥かに超えていました。
後に、友人のひとりが警察の調べで「ニッキーはもう感覚がなくなっていた」と供述しています。

次の朝、ニッキーは亡くなりました。死因は薬物(エクスタシー)中毒でした。

「自分にはそんなことは起こらない」とあなたは思うでしょう。
そうかもしれません。しかし、本当に自分の命を運に任せたいですか?

MDMAの効果が切れた、そのあとは?

「幸せホルモン」と称されるセロトニン、ドーパミンが大量に放出される作用があり、MDMAの効果が出ている間は、異常な多幸感や高揚感に包まれます。

しかし、その効果が切れたあとは、心と体に大きな反動が襲い掛かります。

体験談:リン

エクスタシーは楽しくて、害のない薬物だと言っている人たちがたくさんいます。
知らないのは怖いとしか言いようがありません。

それなりに真面目に生きてきた私が、5か月も夢を追いかけている間に、物事に何の注意も払わない人間に変わってしまいました。
『ハイ』になればなるほど、闇の中へ、孤独な場所へと深く陥っていきました。眠りにつくと、悪夢を見て震えました。
肌が青ざめ、頭がずきずき痛み、被害妄想を抱くようになり始めましたが、こんなことは別に普通のことだと思い、一切気にしないようにしていました。
夜までずっと、自分はもう死ぬのだと思っていました。

エクスタシーは、力、目標、夢、友人、住む場所、お金、そして何よりも正気さを奪い去りました。
自分の将来や健康はどうなるのだろうと毎日が不安です。
問題は山積みですが、ひとつひとつ解決していこうと思っています。
幸運にも死なずにすんだのですから。

 

…この他にも、MDMAの効果が切れたあとに重度のうつ状態になってしまったり、不安感や不眠に悩まされ勉強や仕事が手につかなくなってしまうことがあります。

そうなれば、学校や仕事に行けなくなり、不安や苦しみの中で耐え切れずにさらに薬物を求めてしまうという悪循環に飲み込まれてしまうでしょう。

かわいい見た目にだまされないで!

MDMAに限らず、常習者は薬物を手に入れるためならどんなことでもするかもしれません。

家族や他の人のお金を盗んだり、精神錯乱により傷害事件を起こしたり、通常では考えないような行動をすることがあります。

薬物に思考が支配されているせいで、善悪の判断ができず、歯止めが効かなくなってしまうのです。

「1度だけなら…」

「みんなやってるし」

などという間違った判断で、安易に薬物に手を出すことは危険です。

家族や友人をも巻き込み、自分以外の人々にも悲しい思いをさせてしまいます。

その瞬間の快楽のために、危険な薬物に手を出してしまうと、この先の人生をも台無しにしてしまいます。

どんな状況であっても、薬物があなたの人生に役に立つことはありません。

そこにあるのは、破壊だけです。

本当の幸せとは、薬物で手に入れることはできません。

正しい知識と、断る勇気を持ってください。

そして、私たちにはその手助けができます。

私たちの活動


「日本薬物対策協会」は、2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。

これまでに14万人以上の生徒や保護者、教育者などへ薬物の真実に関する情報を伝えてきており、活動エリアは現在、日本全国に広がっています。

活動はすべてボランティアで行っており、活動が拡張していくにつれ、自分たちだけで費用をまかなうことが難しくなってきています。

子どもたちを薬物から守るため、サポーターも募集しております。

| 日本薬物対策協会
日本薬物対策協会は米国に本部を置く非営利団体です。 「薬物のない世界のための財団」の日本支部。 2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。 これまで14万...

未来の日本を担う子どもたちを守り、「薬物のない日本」をつくります。

講演に関するご相談・お問い合わせは、以下までお気軽にお問い合わせください。

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その他、ご意見は下記メールにてお願いします。
info@drugfreeworld.jp

近年の講演実績

各地の学校や団体様からご依頼をいただいて提供した講演実績をご紹介します。

この数をさらに増やしていくことで、薬物のない日本を。

そんな思いで今日も活動を続けています。

【2021年度】

小学校 11校
中学校 20校
高校  3校
大人  2件

【2022年度4月~3月】
小学校 8校      941人
中学校 26校   5707人
高校    9校      3611人
大人    4件      82人
計       47講演 10341人

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