アメリカ大麻合法化で見えなくなる危険【2022年最新】

薬物トピックス

こんにちは。

日本薬物対策協会講師のまっつんです。

私たちは全国の小、中、高校生、PTAの方々へ薬物乱用防止講演を行っています。

以前、大麻合法国について書きましたが、
今回はアメリカに特化してお伝えしていこうと思います。

アメリカ大麻合法事情

実はアメリカで合法化しているのは
50州あるうちの18州と、ワシントンDCのみです(2022年9月時点)
国としては合法化されていません。
そして、公共の場所での使用は違法です。
大麻を吸引したうえでの自動車の運転は取り締まりの対象となります。
嗜好用大麻を合法化した州では
「レクリエーション用大麻法」が制定されています。
21歳以上なら大麻購入可能ですが販売店では身分証明書の提示が義務付けられています。
購入量も州が定めて制限内と規定があります。個人売買は全ての州で禁止です。
一部の州の合法化に至った経緯をみてみましょう。

アメリカ・コロラド州
・刑務所が過剰収容で限界に達した。
・取り締まり機関を効率的に運用して、重大犯罪への対応に人員を向けるべき。
・大麻ビジネスに関しては容認する代わりに課税する。
・犯罪組織の大麻密売収益をはく奪する。

ニューヨーク州
2021年3月末(新型コロナウイルスの感染拡大の影響で財政赤字に転落した州の景気対策のひとつとして)大麻合法化に踏み切ったと公表しています。
「大麻で税収を増やそう」ということです。
【参照文献:瀬戸晴海(2022) スマホで薬物を買う子どもたち 新潮社出版】

合法化したとはいえ、厳格なルールがあり、苦肉の策とも言えるのではないでしょうか。
【関連記事】そもそも、大麻合法な国って世界にいくつあるの?
『大麻の使用合法国(2022年)-それって安全なの?』

大麻ってなに?

大麻とは植物の「麻(アサ)」つまり大麻草のことです。
大麻は薬物であり、英語では「カンナビス」といいます。
この大麻草の花や種子、葉を乾燥させたものを
「マリファナ」
大麻草の分泌する樹脂から作れらたものを
「ハシシ」
このハシシから抽出してできたオイル状のものを
「ハシシオイル」
といいます。
このどのような呼び名であろうと、これらは薬物であり、幻覚剤です。
知覚を歪めてしまいます。

大麻は依存性が弱い?

大麻に含まれる幻覚作用を生み出す化学物質を「THC」といいます。
THCの量で薬物の強さが決まります。
マリファナを使用する人は耐性ができているため、以前と同じ高揚感を得るため、更に強い薬物を使用するようになります。

アメリカでのある研究によると
マリファナを使用している若者(12歳から17歳)がコカインを使用する可能性は使用していない子供と比べ85倍も高く
15歳以前にマリファナを吸っていた子供の
60%がコカインを使用するようになっています。
※コカイン:コカの木の葉が原料。強い興奮作用があるが効果が切れるのが早く非常に依存性の高い薬物。
(参照文献 真実を知ってください:薬物 薬物のない世界のための財団)

一度、薬物に手を出せば、抜け出すことは困難です。

合法化に惑わされるな

令和3年における20歳未満の大麻を初めて使用した動機について
「好奇心・興味本位」が最も多く次いで
「その場の雰囲気」ということがわかりました。
危険という認識がないのです。
元大麻乱用者は言っています。
大麻は16歳の時に年上の友人から誘われて使った。
違法薬物を使用していることから法律を破ってることが当たり前になって価値観がおかしくなる

人を殴る。あおり運転。ごみの投げ捨て。そんなことが悪いと思わなくなる

ダメな自分になっていった。
そして「もっと良い薬物あるよ」と必ず誘いがくる。
価値観がおかしくなっているのでもっと良いのがあるならと覚醒剤にまで手を出すようになった。
彼はおしゃれのつもりで大麻を使用していたそうです。
しかし、一瞬の快楽のためにその後の人生を破壊してしまったと言っています。
一方でアメリカでは大麻成分の入ったキャンディやグミが近所のコンビニで販売され、それと知らずに誤って食べた子供が救急病院に担ぎ込まれるケースが急増しています。
アメリカ中毒相談センター協会(AAPPC)の調査によると、
12歳未満の子供が家庭で大麻成分入りのキャンディやグミを誤って食べたケースは
2016年の132件から2020年には2500件に急増しています
(出典:ニューズウィーク日本版https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/05/18-30.php)
合法化だからといって、その国、州が安全性を認めたわけではありません。
「海外では合法化されてるから大丈夫」
の誘い文句で危険度の認識が低下していることは事実です。
私たちは嘘に騙されない正しい情報を伝えるために講演活動をしています。
生徒から「友達が大麻は海外では合法だからいいと言ってきかない」
先生から「生徒たちに大麻の危険性をどう伝えたらいいかわからない」
などのご相談もこれまでたくさん受けています。
手を出す前に知ることが必要です。

私たちの活動


「日本薬物対策協会」は、2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。

これまでに14万人以上の生徒や保護者、教育者などへ薬物の真実に関する情報を伝えてきており、活動エリアは現在、日本全国に広がっています。

活動はすべてボランティアで行っており、活動が拡張していくにつれ、自分たちだけで費用をまかなうことが難しくなってきています。

子どもたちを薬物から守るため、サポーターも募集しております。

| 日本薬物対策協会
日本薬物対策協会は米国に本部を置く非営利団体です。 「薬物のない世界のための財団」の日本支部。 2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。 これまで14万...

未来の日本を担う子どもたちを守り、「薬物のない日本」をつくります。

講演に関するご相談・お問い合わせは、以下までお気軽にお問い合わせください。

問い合わせ・講演依頼フォーム

その他、ご意見は下記メールにてお願いします。
info@drugfreeworld.jp

近年の講演実績

各地の学校や団体様からご依頼をいただいて提供した講演実績をご紹介します。

この数をさらに増やしていくことで、薬物のない日本を。

そんな思いで今日も活動を続けています。

【2021年度】

小学校 11校
中学校 20校
高校  3校
大人  2件

【2022年度4月~3月】
小学校 8校      941人
中学校 26校   5707人
高校    9校      3611人
大人    4件      82人
計       47講演 10341人

 

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