【パキる】ってどうなる?10代に広がる薬物乱用

薬物トピックス

こんにちは

日本薬物対策協会のまっつんです。

私達は小、中、高校、PTAの方々に日々、薬物乱用防止講演を行っています。

講演に行くと子どもたちがネットやテレビで薬物の使用方法まで知っていて、そこまで危険なものという認識がないことに毎回危機感を抱きます。

そんな中、10代の若者がSNSを通じて薬物乱用仲間を集い、「パキる」ことが流行しているといいます。

パキるとは一体、どうなることなのでしょうか?

パキるってどういう意味?

「パキる」とは、多くの意味があるようですが、10代の若者の間では、市販薬やアルコールなどをオーバードース(過剰摂取)することにより、ハイな気分になること、または酩酊状態になっていることを意味しているようです。

実際にTwitterを見ていたら、「パキるゾ~↑」というツイートがありました。
ツイートすることにより、それに対して「いいね」や「コメント」の数で自分の存在価値を見出している10代の若者も多いと言います。

そして、SNSを通じて友達になり、「パキる」仲間を集め、アルコールや市販薬を一緒に過剰摂取します。

みんながやっていれば、たとえそれが違法であっても、その場の雰囲気に流され手を出してしまうのです。

実際、報道でもありましたが、大阪ミナミのシンボル「道頓堀グリコサイン」の下、通称「グリ下」に10代の若者が集まり、過剰摂取によって「パキり」心臓が止まってしまった子や気持ちが高ぶりビルから飛び降りた子もいたと報道されていました。

なぜ、「パキる」のか?

国立精神・神経医療研究センターのアンケート調査によると
全国の高校生、計80校における高校生44,613名対象に
「この1年間に、あなたは市販の咳止め薬や風邪薬を乱用目的(治療目的ではなく)で使用した経験がありますか?」
の質問に1.57%が経験ありと回答。
(調査期間:2021年9月~2022年3月末)

高校生の約60人に1人の割合で市販薬を乱用しているということです。

市販薬の乱用経験のある高校生の特徴 (乱用経験のない高校生との比較)

1. 男性より女性が多い
2. 生活習慣での特徴(睡眠時間が短い、朝食を食べない頻度が高い、インターネット使用時間長い)
3. 学校生活での特徴(学校が楽しくない、親しく遊べる友人や相談ができる友人がいない)
4. 家庭生活での特徴(親に相談できない、大人不在で過ごす時間が長い、家族との夕食頻度が少ない)
5. コロナ禍による自粛生活に対するストレスが高い

この特徴から孤立という共通項があるようですね。

青少年が過量服薬をする理由

「ひどい精神状態から解放されたかったから」72.6%
「死にたかったから」66.7%
「どれほど絶望的だったかを示したかった」43.9%
「誰かに本当に愛されているのかを知りたかった」41.2%

出典:「わが国における市販薬乱用の実態と課題『助けて』が言えない子どもたち」(https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001062521.pdf)

「パキる」ことで悩みは解決しない

この薬物乱用問題は子どもだけではなく、保護者、教育者も真剣に向き合わなければならない問題です。

子どもをよく観察してみてください。

インターネットの普及で大人の目の届かないところで、薬物乱用防止ではなく、薬物乱用の啓発をされているのです。
オンラインゲームのチャットで誘われることもあります。
10代の子どもはインターネット、SNS、友人、知人からの情報が真実だと思い込んでいます。

自分の悩みが「パキる」ことで解決できる!となったらやるでしょう。

そして、依存し、薬物を摂る前よりも状態は悪くなります。

摂る前に薬物の危険性、薬物で悩みは解決できないことを伝えることが重要です。

薬物依存を示す危険信号

  1. 使用量の増加:薬への耐性が増し、同じ効果を得るため結果として摂る量が増加していく。
  2. 性格の変化:日常生活において、薬への欲求以外のことはすべて二の次になる。
  3. 引きこもり:家族や友人から離れ、自分の世界に閉じこもる。
  4. 日常の習慣や身なりの変化:衛生意識の低下、睡眠や食事の習慣の変化、生気のない目など。
  5. 神経過敏:普通の光景や音、感情によって過度に刺激される。幻覚がある。
  6. 一時的な記憶喪失、ひどい物忘れ:起こったことを覚えていない。一時的な記憶喪失を起こす。
  7. 過剰な自己防衛:薬物依存がばれないように常にびくびくしているため、警戒心が強くなり、人からの何気ない質問に対しても過剰に反応するようになる。
    引用:「真実を知ってください:薬物」(Foundation for a Drug-Free-World.)

このような信号に当てはまることがあったら、まずは責めることなく、寄り添ってあげましょう。

本人は悪いことをしている自覚はあります。だから、隠そうとするのです。

子どもは助けを求めています。

私たちは薬物依存から子どもたちを守るため、日々、活動しています。

些細な質問でもお問い合わせください。

薬物の真実を知ってください。

私たちの活動


「日本薬物対策協会」は、2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。

これまでに14万人以上の生徒や保護者、教育者などへ薬物の真実に関する情報を伝えてきており、活動エリアは現在、日本全国に広がっています。

活動はすべてボランティアで行っており、活動が拡張していくにつれ、自分たちだけで費用をまかなうことが難しくなってきています。

子どもたちを薬物から守るため、サポーターも募集しております。

| 日本薬物対策協会
日本薬物対策協会は米国に本部を置く非営利団体です。 「薬物のない世界のための財団」の日本支部。 2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。 これまで14万...

未来の日本を担う子どもたちを守り、「薬物のない日本」をつくります。

講演に関するご相談・お問い合わせは、以下までお気軽にお問い合わせください。

問い合わせ・講演依頼フォーム

その他、ご意見は下記メールにてお願いします。
info@drugfreeworld.jp

近年の講演実績

各地の学校や団体様からご依頼をいただいて提供した講演実績をご紹介します。

この数をさらに増やしていくことで、薬物のない日本を。

そんな思いで今日も活動を続けています。

【2021年度】

小学校 11校
中学校 20校
高校  3校
大人  2件

【2022年度4月~3月】
小学校 8校      941人
中学校 26校   5707人
高校    9校      3611人
大人    4件      82人
計       47講演 10341人

 

 

 

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