クラブは危ない?他人事ではない薬物依存への道

薬物トピックス

こんにちは

日本薬物対策協会のまっつんです。

私達は小、中、高校、PTAの方々に日々、薬物乱用防止講演を行っています。

昨今、若年層の違法薬物乱用が増加していると言われています。

薬物を摂ってしまうきっかけとして、友人や知人から誘われて使用してしまうことが最も多いです。

その中でも、今回はクラブでの薬物を摂ってしまうきっかけについて実体験を交えて書いていきたいと思います。

純粋に音楽や踊りを楽しんでいる人にとって、クラブが薬物依存への道の危ない場所になってしまうこともあります。

薬物の真実を知って、誘われた場合でも正しい選択ができるようにしましょう。

大麻使用のきっかけと動機の実態

冒頭で述べたように、若年層、特に20歳未満の薬物乱用が増えていると言われている中、どのようなきっかけで手を出してしまうことが多いのでしょうか。

下記は大麻を初めて使用した時の経緯のグラフです。


出典:「令和3年における組織犯罪の情勢」(警視庁https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/kikakubunseki/R03sotaijousei/R03sotaijousei.pdf)

グラフを見ると、他年齢層と比べても20歳未満が「誘われて」使用してしまう確率が特に高いことがよくわかります。

大麻を使用してしまった動機については次の通りです。


出典:「令和3年における組織犯罪の情勢」(警視庁https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/kikakubunseki/R03sotaijousei/R03sotaijousei.pdf)

使用した動機については、いずれの年齢層でも「好奇心・興味本位」が最多ですね。
次いで、30歳未満では「その場の雰囲気」が多く、
今回取り上げる「クラブ・音楽イベント等の高揚感」、「パーティー感覚」と合わせて、身近な環境に影響されて大麻を使用する傾向があるようです。

クラブでどうやって勧められる?

実際にクラブで大麻を勧められた私の知人から話を聞きました。

その知人の体験は以下の通りです。

「都内のあるクラブに行っていつもの様に踊っていました。すると突然音楽が変わりました。
それはまるでインドの音楽のような不思議な音楽が流れてきました
突然、もくもくと煙のようなものが立ち込めてきました。今までバラバラだった大勢の人が、だんだんと綺麗に横1列に並びだしました。
何が始まるのかと思って様子をみていると、
タバコのようなものが回ってきました。
そこにいた人全員が、自分が吸って、それを隣の人に、を繰り返して
私はその頃薬物について詳しく知らなかったので、『何が回ってきて何が起こっているんだろう?』
と不思議に思いずっと眺めていました。
それは後々知ったことですが、マリファナ(大麻)でした。

いよいよそのタバコのようなものが私にも回って来ました。私は匂いを嗅いですぐ隣の人に渡しました。
その後少し気分が悪くなり、慌てて外に出たことを鮮明に覚えています。
突然起こった出来事で、何がなんだか分からず、とても怖くて、急いで駅まで帰り、家に帰ってからシャワーを浴びて、その時着ていた服の匂いを嗅ぐと
とても臭くて、又気持ちが悪くなりその次の日も体調が悪くて一日中大変でした。
自分がまさか、こんな風に薬物と関わるなんて、考えた事もなく、それ以来怖くてクラブには行けなくなりました。」

もちろん、すべてのクラブで同じことが起きているわけではありません。

音楽と踊りを楽しむ場所で、こんな事が起きてしまうのは残念なことです。

この知人も言っていますが、薬物についてのしっかりとした知識があれば、ノリにつられて摂ってしまうということもないでしょう

MDMAにも注意

MDMAは「クラブ・ドラッグ」と呼ばれるほど、クラブやレイブパーティーで乱用されています。

知人男性はクラブで無料で配布されていたお酒を飲み干してトイレに行った後、2人の男性に羽交い絞めにされて暴行されそうになったと言います。

そのお酒にはMDMAが混入されていたそうで、暴行されそうになった時、本人は大声で「助けて!」と叫んだつもりでしたが、助けてくれたクラブスタッフによると、全くろれつが回っていなかったそうです。

その後も酷い吐き気が3日間続いたと言います。

MDMAは様々な種類の物質が混合されていることがあります。

その中には、殺鼠剤(さっそざい)、犬の寄生虫駆除剤が含まれていることがあります。

聞いただけでも、ゾッとしますよね。そんな物を身体に入れたら、身体がおかしくなることは想像できますね。

MDMAで幸福感が得られる?

MDMAはアメリカ合衆国で1980年代初め、「化学による幸福感の追求がもたらした最新の成果」として、週末のパーティーで「流行のドラッグ」としてもてはやされるようになりました。

1984年時点では、MDMAは合法で「エクスタシー」という商品名で販売されていましたが、1985年までに、安全性に問題があるとして販売が禁止されました。

その「エクスタシー」ですが、テキサス州立大学社会福祉調査センターの研究によると、
エクスタシーを繰り返し使用することが、睡眠障害、情緒障害、不安、震えや痙攣(けいれん)、記憶障害などに繋がることも明らかにしています。

その場の雰囲気もあいまって、軽い気持ちで手を出してしまうと、最悪の場合、死に至ることもあります。

ある女性は次のように言っています。
「ある晩、ほんの数粒のエクスタシーとアルコールを飲んだだけで、危うく死ぬところでした。この薬物は本当に命取りです。心の傷は何年経った今も癒えないままです。何度も繰り返される夜中の悪夢、そして酷い頭痛。薬物で酔ったり、『ハイ』になることくらい愚かなことはないと思います。」
引用:「真実を知ってください:薬物」(Foundation for a Drug-Free-World.)

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薬物依存は他人事ではない。

自分は薬物と関わることはないだろう。と思っている人も、お酒の席やクラブなどで誘われることもあります。

最初にお話した薬物を摂ってしまうきっかけのグラフでもわかるように、友人や知人から誘われて、興味本位やその場の雰囲気で手を出してしまいます。

「少しくらいなら大丈夫」「今日だけ」と軽い気持ちで手をだしてしまい、その後の人生を台無しにしてしまう人を何人も見てきました。

その人たちは、最初から、薬物についての真実を知っていれば、手を出さなかったと言います。

薬物依存に陥ってしまうと、自分の意志ではやめることは困難でしょう。家族や友人も悲しませることになります。

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活動はすべてボランティアで行っており、活動が拡張していくにつれ、自分たちだけで費用をまかなうことが難しくなってきています。

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【2021年度】

小学校 11校
中学校 20校
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大人  2件

【2022年度4月~3月】
小学校 8校      941人
中学校 26校   5707人
高校    9校      3611人
大人    4件      82人
計       47講演 10341人

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