こんにちは
日本薬物対策協会のまっつんです。
私達は小、中、高校、PTAの方々に日々、薬物乱用防止講演を行っています。
今回は若者の間で乱用が増えていると言われている「大麻リキッド」について書いていきます。
昨今、インターネットの普及により、SNSで違法薬物の売買が行われています。
そのSNSでは、#ペン手押し というハッシュタグがついている投稿もあります。
一体、何を意味しているのでしょうか?
大麻は他の薬物より害がない?
インターネット上で「大麻は害がない」「合法な国もあるから使用しても安全」などの書き込みを目にすることもあるかも知れません。
これらは全くの誤った情報です。
日本の法律では、昭和23年「大麻取締法」を制定し、農家が取扱っていた大麻を医療関係者の取扱う麻薬と分けて規制し、許可を受けた者のみが大麻を取扱える「大麻取扱者免許制度」を創設しました。
大麻の栽培、所持、譲受・譲渡等は原則禁止(免許制)とされています。(法第3条、第4条)
国際的にも大麻は麻薬単一条約では、モルヒネやヘロインなどと同じ最も厳しい規制のカテゴリーに入っており(「付表I」)乱用の恐れがあり、悪影響を及ぼす物質とされています。
では、なぜ、合法の国もあるの?と思われた方もいると思います。
過去に書いたこちらのブログをご覧ください。
大麻の使用合法国(2022年)-それって安全なの?
大麻リキッドって何?
大麻リキッドは、天然の乾燥大麻で作られた物と化学的に作られた物があります。
1989年~90年は天然の乾燥大麻が主流でしたが、近年、幻覚成分であるTHCの化学構造を変えて人為的に作られているもので「THCH」や「THCB」があります。
その「THCH」や「THCB」は以前、合法でしたが、現在(2023年9月時点)は規制対象になりました。
乾燥大麻はTHCの濃度が平均10%程度に比べ、化学的に作られている濃縮物は40%~80%と言われています。
THCは脳内の神経細胞を遮断し、記憶力に悪影響を及ぼします。これは科学的にも証明されています。このようなものを成長段階の10代が摂取したらどうなるでしょうか?
その上、SNSなどで販売されているものは、安価にするために色々な物を混ぜて販売されている可能性があり、非常に危険です。
さらに、大麻リキッドは以下の画像のように電子タバコで気化させて吸引するので、肺に大きな負担がかかります。
出典:「大麻事犯の現状について」(厚生労働省 画像提供 関東信越厚生局麻薬取締部https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000957907.pdf)
元使用者は肺が苦しくなり、吸いすぎると咳が止まらなくなったと告白していました。
そして、精神的なダメージもあり、大麻がないと鬱っぽくなり、やる気が起きず人とコミュニケーションを取りたくなくなると打ち明けていた人もいました。
最終的には、大麻なしではやっていけない人生になっていくのです。
#ペン手押し
こちらの画像は実際、Instagramで投稿されていたものです。
何やら、絵文字や隠語ばかりで一見何を投稿しているのかわかりませんよね。
絵文字の意味は次の通りです。
🍯(密つぼ)→大麻リキッド
🍨(アイス)→覚醒剤
🌈(虹)→LSD
🥦(ブロッコリー)→大麻
🍄(キノコ)→マジックマッシュルーム
テレID→テレグラムID:無料の秘匿メッセージアプリです。
通信記録を消去できるため、InstagramやTwitterで客を引き寄せ、秘匿メッセージアプリへ誘導します。
#手押し→手渡し
#ペン→大麻リキッドなどの大麻濃縮物を入れたカートリッジに電池を装着した携帯型の機器。ペンのような形状をしています。
現在は早ければ小学生からスマホを持っている時代です。
SNSは彼らにはとても馴染みのあるツールであり、その中にこのような薬物販売広告が
載っている可能性もあるのです。
薬物についての正しい知識がなければ、好奇心旺盛な彼らは危機感を覚えることなく、密売業者の餌食になってしまうでしょう。
SNSでは、毎日が薬物「特売セール」なのです。
本当に、ゾッとします。
【関連記事】手押し野菜?Twitterで薬物を買う子どもたち
大麻は不妊の原因になる?
厚生労働省 麻薬取締部の研究によると
「大麻はホルモン分泌を抑制する作用がある」ということです。
生殖機能は脳下垂体から分泌されるホルモンによって調節されます。
大麻の長期使用によりホルモンの分泌低下が続きます。
その結果
男性の場合、精子数の減少。
女性の場合、月経異常を引き起こし、不妊の原因になると考えられます。そして、大麻によるホルモン分泌異常が妊娠の維持を妨げるため、流産のリスクも高まることが懸念されます。
そして、大麻は脂溶性のため、胎盤を容易に通過して胎盤に移行します。赤ちゃんにも影響が出る可能性があるのです。
大麻とは限らず、薬物は毒です。
大麻をずっと止められず、大切な家族を傷つけてしまった元薬物使用者は
「最終的に薬物を使用してメリットはなかった。止めて思うことは本当に時間の無駄だった。」と言っていました。
薬物の真実を知ることで、誘われたとしても、自ら摂らない選択ができるように、私たちは薬物乱用防止講演、薬物情報小冊子の配布活動を日々、行っています。
薬物の真実を知ってください。
講演依頼、ボランティア活動参加、お気軽にお問い合わせください。
私たちの活動
「日本薬物対策協会」は、2008年より本格的に教育活動を開始し、首都圏を中心とした学校や地域にて薬物乱用防止講演を提供してきました。
これまでに14万人以上の生徒や保護者、教育者などへ薬物の真実に関する情報を伝えてきており、活動エリアは現在、日本全国に広がっています。
活動はすべてボランティアで行っており、活動が拡張していくにつれ、自分たちだけで費用をまかなうことが難しくなってきています。
子どもたちを薬物から守るため、サポーターも募集しております。
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未来の日本を担う子どもたちを守り、「薬物のない日本」をつくります。
講演に関するご相談・お問い合わせは、以下までお気軽にお問い合わせください。
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その他、ご意見は下記メールにてお願いします。
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近年の講演実績
各地の学校や団体様からご依頼をいただいて提供した講演実績をご紹介します。
この数をさらに増やしていくことで、薬物のない日本を。
そんな思いで今日も活動を続けています。
【2021年度】
小学校 11校
中学校 20校
高校 3校
大人 2件
【2022年度4月~3月】
小学校 8校 941人
中学校 26校 5707人
高校 9校 3611人
大人 4件 82人
計 47講演 10341人